■B型肝炎ワクチン

生後2か月の予防接種スタートと一緒にB 型肝炎をお勧めしています。

・B型肝炎はどんな病気?

 日本では毎年約2 万人がかかる病気です。B型肝炎ウイルスは、体に入ると肝臓に炎症をおこし、長く肝臓にすみついて(慢性化・キャリア化)、肝硬変や肝臓がんをおこします。つまり、B型肝炎を予防するということは、将来の肝臓がんの発症を予防するということになります。

・感染経路は?

- B型肝炎を持ったお母さんから分娩の時に子どもに感染(母子感染)
- ウイルスに汚染された血液・体液(唾液・汗・涙・鼻水・精液など)による感染( 水平感染)
 ※ 近年、保育所での集団感染や、知らない間にキャリアになった父、祖父母などからの感染もあります。血液に直接触れる機会の少ない日常生活でも、唾液・汗・涙・鼻水などから感染する可能性があります!

・感染するとどうなるの?

- 感染すると疲れやすく、黄疸が出ることがあります。

- 症状が軽く自覚しないまま病気が進行することが多いです。このため、知らずに周囲の人にうつしてしまうこともあります。
- こどもでは感染すると大人よりウイルスを体内に保有した状態(キャリア化)になりしやすく、1歳未満は90%、 1~4歳は20~50% 、それ以上は1%の確率でキャリア化します。
- キャリアになるとその後、慢性肝炎になることがあります。また慢性肝炎からは、肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気が引き起こすことがあります。

・どうすればいいの?

 生後2か月の予防接種スタートと一緒にB 型肝炎をお勧めしています。世界でほとんどの国でB型肝炎ワクチンの定期接種を導入しています。導入してない国は日本を含めわずか7%です(2012年時点)。日本小児科学会も推奨しています。まだの親御さんは、お子さんの健康を守るため、前向きにご検討下さい。